今週から夏休みに入った学校が多いと思います。
各塾でも、夏休み期間ということで、今週から夏期講習が開催されます。
そこで、今回は、いよいよ始まる夏期講習をどう乗り切れば良いかを中心に、解説していきます。
<目次>
1.学年で違う? ~夏期講習の位置づけ~
各塾によって差はありますが、夏期講習が持つ役割や位置づけは、学年によって大きく異なります。
というのも、受験を控えている小学校6年生と、受験までまだ時間があるその他の学年では、夏期講習に参加する生徒の目の色は、当然変わってきます。
そのため、夏休みだから、この機会に勉強勉強・・・と杓子定規にスケジュールを組むのではなく、子ども本人が受験までどの程度の時間的距離があるのかを踏まえてスケジュールを組んでいく必要があります。
そこで、今回は、受験までの時間的距離に応じた、夏期講習の乗り切り方を解説していきます。
2.小学校1~3年生の夏期講習
小学校1~3年生の夏期講習は、夏休み中の習い事としての位置づけで開講されていることがほとんどです。
そのため、どんどん詰め込んでいくというよりは、学習の楽しさを体験する内容になっていることが多くなっています。
塾によっては、この学年帯の夏期講習は開講していない場合もあるので、お子さんが通われている塾でこの学年帯の夏期講習が開講されているのかどうかは、必ず確認しましょう。
また、夏期講習が開講されている場合でも、講習日数は短くなっているため、夏休みの宿題や、夏休みを利用した旅行なども行いやすく、まだまだ遊ぶ時間をメインにしても問題はない時期であるといえます。
3.小学校4年生の夏期講習
小学校4年生になると、夏期講習では、小学校4年生の前期に学習した内容の復習や、新出の単元を進めていくことが多いです。
小学校4年生の夏期講習から通塾を開始するという生徒さんも多くいるため、まだまだ受験勉強の本格スタートとしての位置づけがメインになっていることが多いです。
前期から通塾をしている場合は、前期の学習状況の確認を行う絶好の機会になるので、ここで復習を行って内容を理解しておくことが、基礎固めとしてはとても有効になります。
前期の学習の中で、苦手としていたり、点数があまり取れないと悩んでいたりする分野があれば、この夏期講習で克服し、後期に残さないつもりで取り組むと、大きな効果が得られるでしょう。
また、この時期から中学受験塾に入塾をし、本格的に中学受験をスタートする場合、夏期講習で前期に各塾で行っているカリキュラムに触れることができるため、スタートの遅れを気にせず学習を進めることができるチャンスになっています。
そのため、前期から通っていなかったことをマイナスに思う必要はありません。
夏期講習の学習に集中して、取りこぼしの内容にすることで、最大の効果が得られるといえるでしょう。
4.小学校5年生の夏期講習
多くの塾では、小学校5年生の夏期講習で、小学校4年生~小学校5年生前半での学習内容を総復習する内容になっています。
そのため、塾にもよりますが、授業中にある程度演習問題を解く、ということも多いようです。
小学校5年生の夏期講習は、中学受験の勉強をする上では1つのターニングポイントになります。
というのも、後期から新しい単元が進んでいくことや、半年後には受験学年になるということもあり、ここまでで学習した内容を一度総復習することになる場合が多いからです。
小学校4年生から5年生の前期までで学習した内容を総復習して、苦手としているところや点数が伸び悩んでいるところを見つけ、この夏期講習中に潰しておくようにすると、受験学年になったときの学習の助けになります。
また、多くはありませんが、小学校5年生の夏期講習から中学受験の塾に通い始める、というケースもあります。
こうしたケースでは、小学校4年生から通塾している生徒さんたちとの差が出やすくなります。
得意分野はついていけるけれど、苦手分野はついていけないと感じるケースもたくさんあるので、夏期講習期間の中休みの時間を使って、苦手分野の学習を進めておくと、その分野が後で足を引っ張るリスクを減らせます。
5.小学校6年生の夏期講習
受験学年となる小学校6年生の夏期講習では、それまでの総復習にカリキュラムがシフトするタイミングとなります。
大半の塾は、受験に必要な学習のカリキュラムを小学校6年生の前期までで終了していることが多いため、夏期講習からは、復習を兼ねた演習授業に移行していきます。
そのため、演習問題を解くことを通して、得意不得意を炙り出し、不得意としている分野を潰していくような学習をしていくことが求められます。
合わせて、点数が取れていない分野については、なぜ点数が取れていないのかを分析していくことも求められます。
単に、その分野に苦手意識があって、なかなか内容を頭に入れることができていないということもあるでしょう。
ある程度内容が頭に入っているけど、問題をしっかりと読めていなかったり、ケアレスミスが多かったりした結果、点数が取れていないということもあるでしょう。
ただ「理解できていませんね」だけでは済ますことができない時期に来ていますので、なぜ点数を取ることができないのか、細かく分析をして、対策していく必要があります。
6.まとめ
中学受験の勉強をする上での夏期講習は、お子さんの学年や、夏期講習が入室のタイミングとなっているのかどうかによって、その対策方法は大きく異なります。
ご自身のお子さんがどのステージに居るのか、その現在地を把握することで、適切な学習スケジュールを作りやすくなります。
夏期講習を乗り切るために最も必要なことは、この現在地の把握だといえるでしょう。
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中嶋 雅樹(なかじま まさき)
WEBサイト WILLナビ塾 ライター&編集
首都圏を中心に展開する中学受験塾で7年以上勤務後、金融機関に4年勤務
2級ファイナンシャル・プランニング技能士