学校の宿題や塾の宿題に追われながら過ごしている我が子。
まだまだ遊び盛りの年齢ということもあり、ついついサボっている姿を見てしまうことも・・・。
そんな時に、親としてどう接していったら良いか、迷ったりわからなくなってしまったりという親は少なくありません。
そこで、今回はそんな受験勉強中の我が子へ親としてどのように接していくのが良いかを中心に解説していきます。
<目次>
2.「勉強しなさい」は逆効果? 気を付けたい子どもへの接し方
3.忍耐力は大人になるにつれ身につくもの。子どものペースに合わせた学習を。
1.なかなか勉強がはかどらない・・・我が子の勉強姿勢
受験勉強をさせていると、なかなか勉強がはかどらず、最後にはゲームや漫画に手を出してしまう・・・そんな我が子の様子を見て、ついつい怒ってしまうという親の方は少なくないのではないかと思います。
そこで、なぜ受験勉強中の子どもたちが、なかなか勉強がはかどらないといったことになってしまうのかを考えてみましょう。
例えば、仕事をしていて、なんのゴールも設定せずにただ毎日同じことを繰り返ししなければならないとしたら、その仕事を長く続けたいと思うでしょうか?
多くの人は途中で集中が切れてしまったり、諦めてしまったりと、途中でその仕事を続けることに限界を感じるのではないでしょうか。
このように、大人であれ子どもであれ、終わりの見えないゴールに向かって闇雲に頑張ることは誰にとっても難しいことです。
一方で、大人と子どもでは、時間の感じ方に大きな差があります。
大人が感じる1年と子どもが感じる1年では、その体感の長さは、大人が感じる1年間のほうが圧倒的に短いのです。
そんな中起きるのが、大人が子どものゴール地点を大人の基準で決めてしまうということです。
中学受験をする小学生にとって、3年後の未来は殆どイメージがつかないと言っても過言ではありません。
大人のように、3年後にこの学校に入りたいから、それまでに基準となる偏差値まで成績を上げて、そのためにこんな勉強をして・・・という計画を立てたとします。
ところが、小学生の1年間の体感は長いため、大人には計画的に感じられても、子どもたちにはイメージがつかない遠い未来のことを言われているように感じられているのです。
そんな遠いゴールを設定された子どもたちは、終わりのない勉強を強いられていると言った気持ちになることもあります。そうすると、やる気を失ってしまい、ゲームや漫画といった目の前の楽しいことに流れたくなるのです。
2.「勉強しなさい」は逆効果? 気をつけたい子どもへの接し方
親としては、高いお金をかけて受験勉強をさせているのに、また勉強をさぼってゲームや漫画に手を出していると思い、つい「勉強しなさい」と言ってしまうことも多いことでしょう。
ところが、この声掛けが、より勉強への意欲を削いでしまったり、我が子の強い反発を受け喧嘩になってしまったりと、家庭内がギクシャクする原因になってしまうのです。
多くの記事やブログなどでは、強く叱ってはいけない、子どもをなるべく褒めて自己肯定感を上げていくことが対策として書かれています。
確かに、その様なモチベーションの上げ方も大事ですが、ただ叱らず褒めるだけでは、甘やかすだけになってしまい、子どもの成長にとって必ずしも良いとは言えません。
最も大事なことは、子どもが勉強から離れようとする理由を理解し、子どもが達成できる目標を、子どもが認識しやすい短い期間で設定していく、ということです。
例えば、1日のうちこの時間は勉強の時間にするといったスケジュールを組むという方法がよく利用されています。
勉強する時間を決めることで、その時間は集中するという短期的な目標を定めることで、毎日勉強する習慣づけにもつながります。
ただし、この方法を行う上では、その時間内にどのくらいの量の勉強ができたかは気にしてはいけないということが非常に大切です。
誰しも、教科によって得意不得意はあります。
その上で、時間を決めて学習を行うと、教科の得意不得意によって同じ時間でもこなせる学習量には必ず差が生じます。
この差を気にして均等にしようと量も求めるようになってしまうと、子どもにとっては苦手なことを短い時間で詰め込まれるという非常に苦しい時間となってしまい、勉強へのやる気を失っていってしまうという結果になるのです。
そのため、その時間内でどれだけできたのかということは、得意不得意の分野の差を知るためのバロメーターとして使い、その時間内にどれだけ真剣に頑張ったのかということを、褒めたり叱ったりする基準にすると、子どもたちは勉強へ向かいやすくなります。
最初のうちは、大人から見ると決めた時間中は必死に学習できていないようにみえることもあると思います。
ただ、それは、今までと違うやり方になって、すぐには慣れていないだけであることもあります。
半年も慣れないようであれば問題に感じても良いかもしれませんが、1ヶ月や2ヶ月で新しいやり方に慣れるのは、大人でも難しいことが多いことを考えれば、大目に見ながら進めていったほうが効果的です。
3.忍耐力は大人になるにつれ身につくもの。子どものペースに合わせた学習を。
受験勉強をしている我が子の姿を横で見ている親の方からすると、すぐ違うことが気になったり、おしゃべりを始めようとしたりと、ちゃんと勉強に向かって!と思うような場面に何度も出くわすと思います。
しかし、大人が考えている程、子どもの集中力が続く時間は短いものです。
小学校高学年でも、30分も集中力が続く子は稀です。
殆どの子は、小学校高学年でも15分程度で集中力は切れてしまいます。
そのため、30分以上の長い時間で区切った学習スケジュールでは、集中力が続かず、なかなか学習が先に進まないといったことが起きてしまうのです。
子どもの学習を進めていくためには、15分程度で区切り、その間だけ集中するといった、子どもの集中力に合わせた学習スケジュールを立てて上げることが必要になります。
4.まとめ
子どもたちの学習を取り巻く環境は、この10年間で大きく変化しています。
もちろん、親の方が小学生の頃に行っていた学習とは違った環境になっています。
その中で、自分のときはこうだった、という基準で子どもの学習スケジュールを立ててしまうと、子どもがそのスケジュールをこなせなかった時に、子どもが学習を嫌がるといった逆効果になる恐れもあります。
その上で、子どもに「勉強しなさい」と声をかけてしまうと、子どもはどんどん勉強が嫌いになる、ということも決して少なくないのです。
子どもにとって効果的な学習スケジュールを立てるには、こうした子どもの集中力や子どもの気持ちを理解し、それに合わせた学習スケジュールを立てていくことが重要であるといえます。