中学受験で志望校を選ぼうとすると、小学生のうちからどの学校にするかを考えなくてはならなくなるため、どうしても親の希望が志望校に強く反映されてしまいます。
しかし、その親の希望が反映された志望校が、子ども本人が6年間を過ごしたいと思う学校であるとは限りません。
そこで、子ども本人の中学受験へのモチベーションを削ぎかねない、志望校選びで失敗しないためには、受験前に子どもと一緒に学校説明会に参加しておくことが重要になります。
<目次>
1.偏差値表やブランド力ではわからない ~本人と学校の相性~
1.偏差値表やブランド力ではわからない ~本人と学校の相性~
巷では、「男子御三家」と呼ばれる開成中、麻布中、武蔵中や、「女子御三家」と呼ばれる桜蔭中、女子学院中、雙葉中など、ブランド力を持った私立中高一貫校が数多く存在しています。
そのようなブランド力を持った学校は、長い歴史を持っていたり、輝かしい大学進学実績を持っていたりと、多くの受験生や保護者にとって魅力的なアピールポイントを数多く持っています。
しかし、本人の希望とブランド力を持った学校は、本当にマッチしているのでしょうか?
本人は共学を望んでいるのに、保護者が男子校に行かせたいからと、男子校を受験校として話をすすめたり、保護者としてはその学校に入ってほしいけど、制服が可愛くないから別の女子校に行きたかったりなど、本人の希望と保護者の希望が異なるといったミスマッチが起こることは、決して少なくありません。
このようなミスマッチを最小限にするために、本人を連れて学校説明会に参加し、学校の雰囲気を実際に感じ取ってみることで、イメージと実際のズレが修正でき、ミスマッチを解消させることができます。
多くの受験生やその保護者の方は、巷のイメージなどを参考に志望校を選んでいきます。しかし、そのイメージが必ずしも自分に当てはまるとは限りません。
良いと思っていた学校が、説明会を聞きに行ってみたら合わないと感じたり、行きたいとは思っていなかった学校だったけど、説明会に行ったら思いの外合っていると感じられたり、ということはよくあることです。
だからこそ、一度足を運んで自分の目で学校を確かめてみるということが、志望校を選ぶ上でとても重要になります。
2.文化祭だけではわからない? ~普段の学校の様子~
文化祭を見に行くとその学校の雰囲気がよくわかる、という話は昔から良く言われていることです。
しかし、学校側も学校説明会の開催を積極的に行うようになった昨今、少し様子が変わってきています。
文化祭は、在校生にとっても1年に1度のお祭です。確かに学校の雰囲気をつかむことはできますが、在校生たちはその準備のために直前から授業のない日々を過ごしており、かなり楽しんでいる状態で文化祭を過ごしています。
そのため、文化祭を過ごしている在校生の姿は、普段の学校生活を送っている姿とは少々異なるのです。
一方、学校説明会は平日に開催されることも多く、在校生は普段どおり登校し授業を受け、クラブ活動を行って・・・という日常の学校生活を送っています。
この、普段の学校生活を過ごしている姿を見ることこそが、一番その学校の雰囲気を理解できるチャンスなのです。
平日開催の学校説明会だと保護者しか行けないという場合には、土曜日開催の学校説明会がオススメです。
私立の学校では土曜日に授業を行っている学校も多く、土曜日の午後に開催される学校説明会であればクラブ活動をしている生徒の様子を見学できたり、放課後の学校の様子を見学することができたりするため、文化祭というイレギュラーでは見ることができない日常を見ることができます。
3.本人を連れていくべき? ~早くから学校を見せる大切さ~
そうはいっても、本人も平日は学校に通っているため、学内に入っての学校説明会に参加できるチャンスはそんなに多くありません。
また、学年が上がっていき、受験学年となる6年生になってしまうと、土曜日にも塾の授業が入ってしまい学校説明会に参加できるチャンスが少なくなってしまいます。
そのため、行けるうちに行っておくというスタンスが非常に重要になります。
例えば、中学受験の学習を本格的に始める新4年生の2月から5年生の1月が終わるまでの2年間は、学校説明会に本人も参加できる絶好の期間となります。
そこで、この2年間にできるだけ多くの学校を直接見ておくことができれば、受験学年になったときに、本人から「あの学校がよかったから行きたい」という意見を引き出しやすくもなります。
保護者の方は、本人に多くの学校を紹介し、連れていき実際に見せることに徹底し、あくまでも本人が自主的に志望校を選んだとすることが、本人にとってもっとも良い志望校を選べることに繋がります。
また、本人が自分で納得した志望校だからこそ、時には辛いことも多い受験勉強も、本人がくじけることなく乗り越えていけるのではないでしょうか。