SNSやブログなど、インターネットによる情報発信が一般的となった昨今、私達の周りには様々な情報がひしめき合っています。
その中でも、今回は中学受験を検討しているご家庭が悩まれていることの1つである、何年生から塾に通えばよいかを中心に解説していきます。
<目次>
1.新4年生が一般的? 塾における低学年・高学年の境目
2.低学年からのスタートは無駄じゃない? 早目のスタートと思考力
3.意外と安い? 低学年の塾の月謝
4.低学年で中学受験塾に通うデメリットはある?
1.新4年生が一般的? 塾における低学年・高学年の境目
大手の中学受験塾は、小学校の6年間のうち、1年生~3年生を低学年、4年生~6年生を高学年と位置づけ、それぞれに独自のカリキュラムを展開しています。
低学年は週に1回程度の通塾であるのに対し、高学年は週2回~5回(学年や時期による)程度の通塾となり、通塾頻度が大きく異なります。
この通塾頻度の違いが、カリキュラムの違いに大きく影響してくることになります。
低学年の間は、習熟度をはかるテスト自体は行われるもの、授業は思考力を鍛えるものや学習に対する意欲を高めるものが中心のカリキュラムとなっており、高学年の学習を行うための土台となる部分を伸ばす内容になっていることが多くなっています。
これに対し、高学年になると、習熟度をはかるテストが定期的に行われるようになり、受験に必要な知識を入れていくものや入試に対応する応用力をつけていくものが中心のカリキュラムになっていき、入試対策の色がとても濃くなっていきます。
このように、多くの大手中学受験塾は4年生から本格的な受験勉強を開始することを推奨しており、またカリキュラムも4年生からスタートする前提で進んでいるので、新4年生となる3年生の2月(3学期)から通塾を開始することが一般的になっています。
2.低学年からのスタートは無駄じゃない? 早目のスタートと思考力
では、新4年生からスタートすれば安心かというと、一概にもそうとは言えません。
近年の中学入試では思考力を問う出題が多くなされています。
これは、単に知識を詰め込んだ子よりも、詰め込んだ知識を元に柔軟な考えができる子が欲しいという学校側からのメッセージとも言えます。
その様な中で、受験戦争を勝ち抜いていくためには、早くから柔軟な考え方ができるようになることが非常に重要であると言えます。
そこで、学校の学習に比較的ゆとりがあり、塾に通う時間的余裕が作りやすい低学年から通塾を開始することで、子どもの好奇心を刺激し、勉強に向かう姿勢を作り出しておくことが重要になります。
勉強に向かう姿勢や好奇心は子どもを早くから成長させるとともに、柔軟な思考を行う習慣付けにもなり、高学年になったときの学習を有利にできるメリットがあります。
3.意外と安い? 低学年の塾の月謝
高学年の塾の費用にそれなりの金額が必要であることは先日の記事で述べたとおりです。
ですが、低学年から通わせるとなると、保護者の方にとってハードルとなりやすいのが塾の月謝です。
ここで、低学年から通わせた場合にどのくらいの費用がかかるのかを調べてみました。
|
1年生 |
2年生 |
3年生 |
入会金 |
11,000円 |
11,000円 |
11,000円 |
授業料 |
117,480円 |
117,480円 |
114,950円 |
講習費用 |
なし |
なし |
46,200円 |
テスト代 |
なし |
なし |
30,250円 |
教材費 |
授業料に含む |
授業料に含む |
23,760円 |
合計 |
128,480円 |
128,480円 |
226,160円 |
(日能研立川校デジタルパンフレット
日能研ユーリカ!きっずHPより 筆者作成)
高学年への準備学年と位置づけられている3年生になると費用が上がりますが、1年生や2年生では習い事の1つとして位置づけられており、他の学年と比べ費用は比較的下がっています。
ここで、1年生や2年生で中学受験を見据え塾に通わせることが、他の習い事と比較してどの程度費用に差があるのかまとめました。
|
塾 |
水泳教室 |
英会話教室 |
ピアノ教室 |
入会金 |
11,000円 |
5,500円 |
11,000円 |
0円 |
授業料 |
117,480円 |
99,000円 |
133,320円 |
135,960円 |
教材費 |
授業料に含む |
なし |
12,650円 |
10,890円 |
合計 |
128,480円 |
104,500円 |
156,970円 |
146,850円 |
(日能研ユーリカ!きっずHP
イトマンスイミングスクール上石神井校HP
BE studioHP
ヤマハ音楽教室HP より筆者作成)
金額で見ると、1年生や2年生での中学受験塾の費用は、他の習い事と比較すると決して高額ではないと言えます。
そのため、知的好奇心を刺激できる習い事として、低学年での習い事として中学受験塾というのは1つの選択肢になりうるのではないでしょうか。
4.低学年で中学受験塾に通うデメリットはある?
大手の各中学受験塾では低学年(特に1年生や2年生)を習い事の1つとしての位置付けで授業展開をしている場合が多くあります。
それであれば、低学年のうちに通わせてみて、勉強に抵抗があるかないか、すなわち中学受験を将来的に頑張ることができるかを見極める機会にするという方法もあります。
そのような通わせ方ができるということを考えると、低学年のうちに中学受験塾に通わせてみるというのは、メリットはたくさんあってもデメリットは殆どないと言えるのではないでしょうか。