志望校選びは、さまざまな角度から

2021.08.09

中学校選び

説明会や相談会などには積極的に参加

志望校選びは、さまざまな角度から検討する

 

1.志望校はいつぐらいまでに決めるべき?

首都圏の中学入試では、帰国生入試、推薦入試、専願入試など一部年内に実施されるものもありますが、

募集定員の大半を占める一般入試は年明けに行われます。

最初に行われるのは寮を持つ地方の学校が首都圏に会場を設けて行う入試。

全寮制の海陽中等教育学校(愛知)、医学部医学科にたくさんの合格者を輩出する北嶺(北海道)、

近年、東京大学への合格者数が増えている西大和学園(奈良県)、

卒業生の半数が早稲田大学に推薦で進学できる早稲田佐賀などが毎年たくさんの受験生を集めています。

そして、1月10日に埼玉県、20日に千葉県、2月1日に東京都と神奈川県の中学校の一般入試が解禁となります。

近年ではインターネットの普及により、試験当日の朝まで出願が可能な学校も増えてはいますが、

しっかり準備をして臨むためには、やはり6年生の秋までには、第一志望校は決めておきたいものです。

何より、本人に「行きたい学校」があるかないかは、受験勉強のモチベーション維持にも大きく影響します。

「その学校で学ぶ自分」を想像できることが、努力を続けるうえでの、いちばんの心の支えになるからです。

2.多方面から情報を集めて、真偽を見極める

東京23区のなかでも、文教地区へのアクセスが良い都心エリアでは、「クラスの半数近くが中学受験をする」小学校もあるという昨今。

新聞や経済紙などでも人気の高い学校や注目される学校の記事を目にすることも珍しくありません。

また、中学受験に特化した情報誌やガイドブックなどもたくさん発行されています。

まずは、そういう媒体で、通学できる範囲にどんな学校があるのかを調べてみるとよいでしょう。

気になる学校が見つかったら、さっそく情報を集めましょう。

注意したいのは、インターネットの情報のみ頼らないことです。

ネット検索では手軽にいろいろな情報にアクセスできますが、なかには、真偽の不明な内容も多く見受けられます。

卒業生の体験談や父母目線でのアドバイスなどは、心に響きやすく印象に残るものですが、

中学受験の状況は変化が著しい面もあるため、うのみにするのは危険です。

特に近年は、教育環境やカリキュラム、進学実績、受験形式などを一変させた影響から、評価を大きく変えた学校も少なくありません。

だからこそ、「わが子に合う」「わが子を伸ばす」要素を見いだすためには、情報の「取捨選択」が不可欠といえます。

いちばん確実なのは、学校が発信する公式情報です。

各学校のホームページや学校案内パンフレットには、その学校の教育方針やカリキュラム、学校行事、施設、部活動、進学実績など主要な情報が載っています。

近年では資料請求をしなくても、ホームページ上でデジタルパンフレットを見られる学校もたくさんあります。

学校ホームぺージは、ブログや動画配信などを通じてリアルな学校生活を知らせる試みも盛んです。

まずは親子で楽しみながら「中高一貫校のリアル」を感じてみるのもよいでしょう。

また首都圏や関西圏の大型会場などで、複数の学校が一堂に会しての合同説明会も開催されています。

昨年は新型コロナウイルス感染症の拡大のために、そうしたイベントの多くが中止になりましたが、今年は感染予防措置を万全にしたうえで、各地で開催されています。

こうしたイベントは一度に多くの確実な情報を得られるまたとない機会なので、中学受験ビギナーのご家庭には特におすすめです。

これまで注目していなかった学校でも、学校関係者と直接話すことをきっかけにして、新たな発見を得ることもあるはずです。

3.いろいろな学校に足を運び、雰囲気を肌で感じてみる

確かな情報を収集するなかで、「わが子に受験させてみたい」と思う学校があれば、その学校が開催する説明会に足を運んでみましょう。

説明会では、校長先生をはじめとする複数の先生から、教育方針や教育の取り組み、進路指導、学校生活の様子などを直接聞くことができます。

なかには、実際にその学校で学んでいる生徒に話をさせたり、生徒や卒業生のコメント入りの動画を上映したりと、

生徒目線での学校生活について伝える演出などもあり、校風や雰囲気を肌で感じることができます。

また、終了後には個別相談会や授業・校内見学会が設けられていることも多く、教職員や在校生から直接話を聞く機会もあります。

学校主催の説明会は、年に複数回行われていますが、春から夏に開催されるものは教育方針や学校生活が中心で、

秋以降に開催される回では6年生を対象に入試の過去問対策などが盛り込まれることが多いようです。

そうやって、「ここぞ」という学校が絞れてきたら、さらにもう一歩踏み込んで、文化祭や体育祭といった公開行事に行ってみましょう。

特に文化祭は、在校生と直接触れ合うことのできる貴重な機会です。

興味のあるクラブがあるか、展示や企画はどんなことをやっているのか、生徒が生き生きとした表情をしているかなど、「入学後」を思い描く材料にこと欠きません。

そして、あいさつなど来場者への対応や態度からも、その学校の教育方針は伝わってくるものです。

ほかにも、学校によっては土日や夏休みを利用して、体験授業やオープンスクールなど、小学生が参加できるイベントを設けている学校もあります。

6年生になると、塾の講習や摸擬試験で休日も忙しくなるので、5年生までの間にひととおり見学を済ませるように心がけましょう。

説明会をはじめ、公開行事や参加型イベントは、ホームページを通じての事前予約が必要です。

多くの場合、定員が設けられているので、興味のある学校の情報はこまめにチェックしましょう。

4.本人の気持ちを第一に、家族で相談しよう

こうしたステップを経て、「行きたい」という学校がある程度絞れたら、家族で相談をして第一志望校を決めましょう。

校風、教育方針、教育内容、学校の雰囲気、大学合格実績、さらには男女別学校か共学校か、進学校か大学の付属・系属校か、判断する要素は多々ありますが、

いちばん大切なのは、何といっても本人が「この学校に入りたい」という強い思いを持てることです。

時には、多くの学校を見すぎて、「どこか1校に決められない」と迷うこともあるかもしれません。

そんなときは、塾の先生に相談するのも一つの方法です。

先生は塾でのお子さんの様子をよく見ているので、「校風は合っている」「入試問題との相性がいい」「能力を伸ばしてくれる」といった理由で、

お子さんの適性に合った学校を薦めてくれるはずです。

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