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高まる中高一貫校人気 先行き不安な時代に「早く準備したい」

2021.01.30 中学校選び

 異例の状況下で始まった首都圏の中学受験。入試日程・内容の変更、会場での感染防止対策などさまざまな不安を抱えながらも、志望校合格を目指す受験生たちの戦いは熱い。不確実な時代に「教育だけは良いものを」と考える保護者が増え、中学受験熱は高まるばかりだ。今や東京では4人に1人、都心部では2人に1人が中学受験をしているというデータもある。高まる中高一貫校人気の背景と学校選びのポイントを探る。

 

都内4人に1人が受験低年齢化する入塾時期

 

 緊急事態宣言のただ中、首都圏の中学受験がピークを迎えつつある。昨春の小学校休校による学習の遅れや入試内容の変更など、コロナ禍による不安材料はあるものの、私立を中心とする中高一貫校の人気は相変わらず根強い。

 実際、全国でどのくらいの子どもたちが中学受験に挑戦するのだろうか。文部科学省の「学校基本調査」(2020年度)によると、中学校に通う1〜3年の生徒321万1219人のうち、8・4%に当たる26万9796人が国立、もしくは私立の中学校に通っている(表1参照)。地域差が大きいので、全国集計ではそこまで多いようには見えないが、都道府県別に見ると、最も多い東京都では全体の26・0%、実に4人に1人が私立、もしくは国立中学の生徒だ。

 表2から東京都についてさらに細かく見てみよう。東京都の調査(20年度)では、都内の公立小学校の卒業者のうち21・8%、区部では26・9%が国立や都立、私立の中学校や中等教育学校、あるいは都外の中学校に進学している。その割合が最も多いのは港区の48・9%。ほとんど差なく文京区(48・8%)や中央区(46・5%)が続く。ほぼ2人に1人が地元の公立中学校には進学していないことになる。

 受験にかかる費用や時間の負担は決して少なくない。にもかかわらず、中学受験をする子どもがこれほど増えているのはなぜか。その背景にあるのは、第一に難関大学への合格実績だ。高校別合格者数ランキングを見ると、多くの難関大学で名門の私立中高一貫校が上位を占めている。もともと優秀な生徒が集まっているという背景もあるが、高校受験のない6年間を通したカリキュラムの下、先取り学習や早めの受験対策など、着実に難関大学合格に向けた力をつけられる利点は大きい。

 「大学進学を考えれば中高一貫校」、そう考える層が多いのは、大学付属校の人気が高まっていることでもわかる。大学付属の中高一貫校なら、一定の条件を満たせば内部推薦で大学まで進むことができる。その魅力は大きい。

 特に私立の場合、施設や設備の充実度が高いことも魅力だ。特に最近注目度が高いのが、パソコンをはじめ各種情報通信端末を教室や授業に取り入れて活用するICT(情報通信技術)環境だ。多くの私立校はその整備を積極的に進めてきた。実際、今回のコロナ禍による長期休校のなか、スムーズにオンライン授業に切り換えられた学校の多くは、ICT教育を進めていた私立の学校だった。こうしたところに私立の魅力を感じた人も少なくないだろう。緊急事態にも柔軟に対応した実績は、今まで中学受験を考えていなかった層にも響いたといえよう。

 中学受験熱の高まりを受け、進学塾に通う子どもも増えている。国立教育政策研究所の「全国学力・学習状況調査」(17年)によれば、小学生で塾に通っている子どもの割合は約46%。2人に1人が塾で勉強していることになる。

 塾に通い始める時期も早くなっている。現在、首都圏で中学受験を目指す場合、新4年生、つまり小学3年生の2月から塾に通い始める子が最も多いといわれる。受験するかどうかは別として、塾にだけは早めに入っておこうと考えるケースも多い。

 低学年で入塾を希望するケースが増えてきたため、新たに小学1、2年生向けのコースを設置する塾もある。コロナ禍のなか、最近はオンラインでの受講を選択できる塾も増えてきた。こうした傾向も、中学受験人気を後押しすることにつながるだろう。

 

多様な私立中学一貫校まずは違いを知ること

 

 人気が高まる中高一貫校だが、一口に中高一貫校といっても多種多様だ。目指すなら学校の特徴をよく理解し、本人の希望や保護者の価値観に合った志望校を選ぶことが大切だ。

 中高一貫校は大きく私立校と国立・公立校に分けられる。私立校は建学理念や教育方針、校風、カリキュラムなどに各校の特徴が明確に表れている。自主性を重んじる自由な校風の学校もあれば、規律を重んじ礼儀やマナーを身に付けさせる学校もある。教養重視の観点から幅広い教科を学ぶことに力を入れる学校もあれば、グローバル社会を考えて英語教育や海外研修に力を入れる学校もある。

 国立校はほとんどが大学の教育系学部の付属校だ。その特徴は、最新の研究から生まれた質の高い教育が受けられるところにある。経済的負担が少ないことも大きな魅力だ。学費が抑えられる点は、最近増えている公立の中高一貫校も同じだ。そこでは、適性検査によって、学校が求める資質を持った生徒を集め、高いレベルの教育を行っている。

 私立の場合はさらに、付属校か進学校か、男子校・女子校か共学校かに分けられる。私立の付属校は国立と違い、併設大学に内部推薦で入学できる点が魅力だ。大学受験を気にせず興味あることに打ち込むことができ、併設大学と連携した授業や研究活動なども可能だ。付属校のなかには、他大学への進学に力を入れている学校もある。併設大学に希望の学部がない場合や、より難関の大学を目指したい場合には好都合だ。また付属校に近い形態で、別の法人が運営する「系属校」と呼ばれる学校もある。学校によって、提携している大学への推薦枠は異なるので注意が必要だ。

 こうした学校以外、併設大学がない学校は「進学校」と呼ばれる。生徒の多数が大学を受験するが、付属校などと違い進学先に制約がないため、海外も含め幅広く進路を選択できるのが特徴だ。

 私立は男女別学の学校が多いため、共学にするか別学にするかも検討する必要がある。男子校・女子校の最大の魅力は、男女の成長段階の違いが出やすいこの時期に、それぞれの特性に合わせた効果的な教育を行えるところにある。伝統ある名門校は別学が多く、確固たる教育方針の下に質の高い教育を行っている。ただ近年は別学から共学に移行する学校が増えている。新設される学校もほとんどが共学で、受験対策に力を入れ、高い大学合格実績を示す学校も見られる。

 

確かな情報を集め慎重な志望校選びを

 

 偏差値や進学実績が同じような進学校でも、また同じ大学系列にある付属校でも、教育内容はそれぞれ異なる。そのなかからわが子に合った最適な学校選びをするには、情報を取捨選択して、確かな情報を集めることが重要だ。学校情報はあふれている。インターネットで検索すれば、口コミも含めていくらでも出てくる。その中には真偽が確かめられない情報も多い。そうした情報に惑わされることのないよう、まずは学校のホームページや学校案内パンフレットなど、学校が発信する公式情報源で確実な情報を集める必要がある。

 校風や雰囲気を知るためには、学校説明会や学校行事に足を運ぶことも大切だ。文化祭を見学して、子どもが「この学校に入りたい」と思ったことが、受験勉強のモチベーションになったという例は多い。

 とはいえコロナ禍の今、学校に出向くのは難しくなっている。その代わりに、ほとんどの学校はオンラインでの説明会や相談会を実施している。複数の学校を集めた合同のオンライン説明会を開催するところもある。

 保護者のなかには、パソコンの操作やインターネット活用に慣れていない人もいるかもしれない。しかし、コロナ禍であるか否かにかかわらず、これからの学校選びにパソコンやインターネットの活用は必須だ。入学後に実施されるかもしれないオンライン授業のことを考えても、慣れておく良い機会といえる。

 小学校の6年間と中学・高校の6年間は全く異なる。6年間の中等教育期間は人間性を確立する最も重要な時期といわれる。その大切な6年間をどう過ごすかは、その後の人生に大きく関わってくる。わが子の希望、そして将来を踏まえ、充実した学校生活を送ることができる最適な学校を選びたい。

■日本経済新聞 朝刊 第二部「広告特集 中学受験特集」2021年1月29日掲載

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