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子どものチカラ伸ばす塾選び 成長に合わせ 適した環境を

2021.01.30 塾選び

 中学受験に挑戦する場合、通常は塾に通って受験勉強に取り組むことになる。一口に塾といっても、全国展開する大手から地域密着型、個別指導まで多様な形態があり、指導法もさまざま。わが子に適した塾を探すのは保護者の重要な役割だ。塾選びはどのように進めればいいのだろうか。森上教育研究所代表の森上展安氏に聞いた。

 

新小4からの通塾が一般的

 

 多くの進学塾では小3の2月から新小4のカリキュラムがスタートする。これに合わせて、入塾のタイミングは新小4からというケースが比較的多い。

 「一般的に、子どもは10歳、小4ぐらいから抽象的な思考ができるようになり、探究心が生まれます。学力が最も伸びる時期も小4から始まることが多く、中学受験はもちろん、『学校プラスアルファの勉強がしたい』というお子さんは、この時期から通塾を開始するといいでしょう」

 一方で、最近は低学年から塾に通う子どもも増えている。早い時期から鍛えれば、空間認識能力などを伸ばしやすいとされるためだ。

 それだけに、入塾の低年齢化は今後も進みそうだが、気を付けたいのは「読み・書き・そろばん」に象徴される基本的な力のトレーニングが不足すること。読み・書きに必要な語彙を増やしたり、正確に計算したりする力はこの時期にこそしっかりと身に付けておきたい。「ハイレベルな学習に取り組んだり、思考力を重視したりするあまり、基礎的な計算が苦手な子が増えている」というのが森上氏の実感だ。

 小学生のうちは心身の発達も個人差が大きい。精神年齢が高い子は低学年から入塾しても適応しやすいが、幼い面がある子は早くても小4ぐらいからがいいだろう。中学受験は塾選びから始まるといっても過言ではないが、塾に通い始めるタイミングも子どもの性格や適性を見極めて検討する必要がありそうだ。

 

目標設定と学習量の検討を

 

 では、塾を選ぶ際はどんなことに気を付ければいいだろうか。まずは、目標とする学校をある程度想定することから始めたい。目指すのは難関校なのか中堅校なのか、あるいは大学付属校なのか。各塾の合格実績を確認すれば、どのタイプの学校に強い塾なのかがすぐに分かる。目標とする学校に多くの合格者を出している塾であれば、受験勉強の道筋もつけやすいだろう。

 そうはいっても、実際に志望校が固まるのは通常なら小6になってからのこと。小3、小4の段階では、子どもも保護者も難関校、有名校ばかりに目がいきがちだ。「学校も塾も、知名度で決める前に、さまざまな角度からしっかり研究すること。小規模でも検討に値する塾はたくさんあります」。森上氏は最初から絞り込みすぎず、気軽に試してみるのがいいとも話す。

 塾の雰囲気や指導方針などとともに判断材料にしたいのは、1週間の学習量だ。カリキュラムの中身、1週間の授業の進度、家庭でこなすべき予習・復習・課題のボリュームなどを、塾の説明会やホームページ、知り合いからの口コミなどを通して確認しておきたい。あまり負荷をかけすぎると、勉強自体が嫌になってしまう可能性もある。

 「わが子が無理なく通えるかどうか」は塾選びの重要なポイントだ。「まずは、『ちょっと様子を見よう』という感じで始めましょう。学校とは違い、塾はいつでも変えられます。うまくいっていないと感じたら、そこからまた考えればいいのです」

 

子どもとの相性見極める

 

 一斉指導から個別指導まで、進学塾の形態は多様化が進んでいる。一般的な一斉指導型塾も、最近はより少人数のグループ指導へと変わってきた。

 受験勉強に限らず、小学生の勉強は周りの仲間と刺激し合うことが大きな意味を持つ。そういった面から、まずはグループ指導を行う塾を入り口にし、受験の方向性がはっきりした段階で必要に応じて個別指導、家庭教師、大学付属校・都立一貫校特化型などの塾を選択肢に加えていくのが効率的だ。

 森上氏は「子どもにとって中学受験は、あくまでも将来に向けての過程です。中学、高校に進んだときにより深く学べるよう、塾選びの際には子どもの興味・関心の幅を広げられる環境かどうかもぜひ重視してください」と強調する。

 また、最初から志望校を決めているなら、その学校に強い塾を選ぶのが手っ取り早いが、例えば遅咲きの子の場合、その子の興味をじっくりと引き出した上で、該当する分野に力を入れている学校を探すという方法もある。偏差値や知名度ではなく、子どもの得意分野を伸ばしてくれる学校との出合いを考えるのであれば、そうした指導方針を掲げる塾に通うのが近道だ。

 塾に限らず、小学生の習い事は子どもだけ、あるいは親だけがやる気になっても効果が出ない。大切なのは親子が一緒に取り組むことなので、中学受験のための塾を決める際も親子で共に頑張れるか、楽しめるかを重視したい。入試に向けて邁進しつつも、楽しく通えるかどうか。この点もまた子どもと塾との相性を見極めながら、保護者が判断する必要がありそうだ。

 

「続けられる環境づくり」が重要

 

 入塾前はできるだけ多くの情報を集めることも必要だ。信頼できる人からの情報を役立てつつ、手軽に情報収集ができるインターネットやSNSも大いに活用したい。

 カリキュラムや学習量、教室の雰囲気、合格実績、さらには子どもとの相性など基準はいくつもあるが、見落としがちなポイントもある。その一つが授業料。進学塾の授業料は、指導内容や設備に応じて幅があり、なかにはかなり高額に設定している塾もある。納得して支払う場合はいいが、まずは多くの進学塾の費用感を知った上で検討した方がいいだろう。

 安全面のチェックもしておきたい。塾そのものの安全性はもちろんだが、通学路の安全確保も重要だ。災害や事故が発生した場合の対応も事前に確認しておこう。細かいところでは、塾に弁当を持たせる必要があるかどうか。その必要があるなら、自分たちにできるかどうかも押さえておきたいポイントだ。

 さらに、森上氏が意外と大事なポイントとして挙げたのが、「一緒に通える仲間がいるかどうか」。塾で学ぶようになれば自然と友だちはできるし、必ずしも同じクラスになるとは限らないが、自宅の近所から一緒に通える仲間が何人かいれば、塾の行き帰りが楽しくなるし、何より安全だ。スランプに陥ったときや受験が迫ってきたときにも、こうした仲間の存在が勉強の苦しさや緊張を相殺してくれる。

 「小学生が塾に通って何時間も勉強するのは大変なことです。それを可能にするのは、塾に通うことを生活の一部として取り入れ、当たり前に続けていける環境をつくることなのです」と森上氏は説く。中学受験に限らず、学習には子どもの精神的な自立を助けるという意味もある。「通塾や受験だけを考えるのではなく、常に子どもが何を感じ、何を考えているかをしっかり見守ってください」と力を込めた。

 


森上教育研究所 代表 森上 展安 氏 プロフィール

もりがみ・のぶやす 早稲田大学法学部卒業後、進学塾塾長などを経て、1988年に私立中・高や学習塾を対象とするコンサルタント「森上教育研究所」を設立。現在は同研究所の代表を務める一方、受験や中高一貫教育についての豊富な情報と経験を生かし、評論・分析の分野でも活躍。ほぼ毎週、中学受験の保護者を対象に、著名講師陣による「わが子が伸びる親の『技』研究会」(oya-skill.com)を動画配信している。


 

■日本経済新聞 朝刊 第二部「広告特集 中学受験特集」2021年1月29日掲載

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